人質事件、最悪の結末となってしまったわけで、日本政府の対応うんぬんという話になったりしますが、これはアメリカが悪いのです。火事場見物に行って火の元を見てみたいと燃え盛る炎の中に入っていくような行動は無謀でしょうが、放火をした張本人がまず真っ先に非難されるべきなのです。ビンラディンはアメリカがイスラエルのレバノン侵攻を推し進めたから、9・11で対抗したと発言していますが、アメリカはこれを真摯に受け止めるべきです。いかなる場合、どのような状況においても暴力は連鎖するのです。それを断ち切る勇気を持った者が現れなくては世界は崩壊してしまうという簡単な事実に、なぜアメリカは気づかないふりをするのか?石油の利権を確保して、巨万の富をアメリカに集中させて、世界中の90%の人々を貧困と憎悪の中にたたきこむことによって、特権階級としての安定した豊かな生活が約束されていると考えるアメリカの残酷さは、インディアンから土地を奪いアフリカの人々を奴隷にした頃から何も変わっていないのでしょうか?絶大な身体能力と最大の傲慢さを兼ね備えた暴君に対抗する方法を考えなくてはいけないような事態に、この時代に陥るとは誰も考えなかったことでしょう。しかし、首相の「残虐非道な行為にあらためて憤りをおぼえる」というコメントはもっともですが、ではなぜイラクで罪もなく殺されていく民間人に対するアメリカの行為を彼は残虐非道だと思わないのでしょう?いまやフセインがそれを上回る暴君だったとは僕にはどうしても思えないのです。イラクにアメリカが侵攻した時、フランスのシラク大統領がかたくなに反対して、その時、「フランスはイラクに既得利権があったから」とみんな言っていましたが、僕はそうは思いたくありません。せめてフランスには、それが無謀な試みであっても立ち向かおうとするだけの人間としての良識があったと考えなければ、望みはゼロになってしまうので。