僕のUKやフランスのクラブ関係の友人達はサイケを「かっこよくない」としています。実際にいわゆるスーパークラブではまったくサイケはかかりません。日本でも文系評論家連中には毛嫌いされています。僕はサイケどっぷりではないので、彼らの言いたいことはなんとなく分かるのですが、前の世代を制覇した連中に嫌われているというのは、これから伸びるジャンルには不可欠なんで、そういう話を聞くにつけ「サイケまだまだいけるんだ」と思ってしまいます。ハウスも登場した時、ディスコ世代にボロクソに言われてましたが、10年後にどうなったかはみなさんご存知のとおりです。僕がサイケをおもしろいと思う理由のひとつには、イスラエル、ブラジル、(日本?)など今までクラブシーンの中心になかった国々が本拠地になっているということがあります。これは異例のことです。さらに、謎の音源が次々リリースされている状況がハウスが現れた時に似ているというのもあります。その上、シーン自体の歴史は古いのになぜかいまだに商業化があまりすすんでいません。僕が普通のクラブシーンにあまり関心を持てなくなってしまった理由のひとつに、プチ芸能界化してしまったクラブシーンのくだらなさ(法外なギャラとセレぶーな対応を要求するスーパースターDJやマネージメントのゴリ押し、さらにコンサート化する客層まで)があるので、その点でサイケシーンはいまだにピュアなパーティースピリットを失っていないように見えるのです。もっとも、それは僕がサイケのパーティーに入り浸っているという意味ではありませんけどね。その要素を吸収した何か新しいことをやってみたいわけです。