音がよいのと、溝で曲の構成が読めることからいまだにDJスタンダードの地位を譲らないレコード。でも、確実にCDにシェアを奪われ始めましたね。CDJなら自分がつくった新曲もCD-Rですぐプレイできるので、海外のトップDJ達がCDを使うようになってしまったんですね。こうなってくると、いわゆるターンテーブルの職人芸はどんどん化石化してしまうでしょう。だって、ピッチ調整も頭だしも誰でもすぐできちゃうんですから。これからのDJはクリエイターであることが、より求められると思います。CDJと制作機材が、ターンテーブルより重要な存在になる日はもうすぐそこです。ちなみに僕は半年ほど前に完全CDJに切り替えましたが、ブースでたくさん踊る余裕ができました。
音楽は厳密にカテゴライズできるものではないけれど、ある種のジャンルわけは可能です。4つ打ちリズムの音楽ならハウス、テクノ、トランスの3つに大きく分類できます。僕は現時点でトランスをつくっていてDJもトランスですが、もともとはハウスでスタートしています。だから、トランスはハウスの亜流だと思っています。テクノもテクノハウスであってハウスのひとつだと思っています。こうした考え方はクラフトワークやYMOをテクノのルーツと考える流れや、ゴアトランスをトランスのルーツと考える流れとは相容れませんが、それは問題ではありません。この辺の捉え方は人によって違うのです。ただ、シカゴハウスなくして現在のテクノはなかったであろうし、ハウスから生まれたレイヴカルチャーなくしてトランスは生まれえなかったでしょうから、ハウスを無視することはできません。20年間リアルタイムでシーンを見てきた僕の中ではハウスは種であり特別な存在なのです。
僕はラウドの社長ですが、ライターではないので、自分でインタビュアーをするのは個人的に興味を持った時だけです。ここ1年では大沢伸一さんとラジャラム、ヨージさんの3本を担当しました。手前味噌ですがいずれもおもしろいインタビューになったと思っています。
中でも
ラジャラムとはその後もメールのやりとりをしたり、僕のプロジェクトNIBIRUのトラックをプレイしてもらったりする仲になりました。話してみるまで、僕はラジャのことをちょっと誤解していまして、サイケシーンによくある閉鎖的コミューンの頂点に立つ人だと思っていました。が、彼は実際はまったくオープンな人で、そうしたサイケエリーティズムを先導するカリスマというより、60年代的LOVE&PEACEをバックグラウンドに持つ先鋭的ミュージシャンという印象でした。精神世界や科学の話などでは音楽を離れた共通の関心事項も多く、久々に人間的シンクロナイズを感じました。自分と同じような方向性をより高いところで持っている人に出会えるのはうれしいことです。
音楽業界内ではすでに参議院を通過している輸入盤規制法案が話題で、これに反対する署名が坂本龍一さんらミュージシャン、ピーターバラカンさんら音楽評論家から700人近くも集まっています。もともとはアジア諸国の安価な邦楽CDが日本に逆輸入されて、日本盤の売り上げを圧迫していることから、これを防ぐ目的の法案だったらしいんですが、あらゆる輸入盤に適用可能ということで問題になっているわけです。つまり洋楽のヨーロッパ盤やアメリカ盤の輸入を規制対象にすることもできるわけですね。結果的に買いたいCDがなかなか手に入らない、もしくはめちゃくちゃ高いなんてことになるかもしれません。そんな法案を通してなるかという運動が今行われているわけです。
僕のところにも署名の依頼が来ました。が、署名しませんでした。なぜなら、僕はこの問題はもっと根が深いと考えているからです。大手、インディーを問わず、レコード会社は今CD売り上げの減少に苦しんでいます。原因はおそらく二つで、一つは言われているアジアからの安価なCDの還流。この本当の意味は、世界中には僕らの一ヶ月分の生活費で一年生活できる人がたくさんいるということです。物価の格差、ひいては生活レベルの格差が大きいからこのようなことになるわけで、それをほったらかしにしているということなんです。もうひとつはCD-Rでの違法コピー。これは最終的に音楽がCDという形で聴けなくなる、アーティストはそれで生活することができなくなってしまう可能性の高い行動をみんなが平気でしているということです。この二つを解決しない限り、音楽産業はにつまってしまうでしょう。結果的にリリースタイトルは減り、買いたいCDが邦盤輸入盤問わずリリースされないという根本的な問題になりかねません。
なぜ、そんな法案が出てきてしまったのか?それを考えると、輸入盤規制反対という題材があまりにもちっぽけに見えてしまい、とても署名する気になれないのでした。
レコーディングをしていたら日付が変わってしまいました!毎日更新すでに3日目にして挫折.....。ですが、僕の中では昨日はまだ終わっていないので、ぎりぎりセーフ?物事を続けるのは非常に難しいわけで、一番よいのは習慣化してしまうことだと思います。それで、毎日少しづつ良いほうに変わっていければ死ぬ頃にはすばらしい人間になれることでしょう。
今日はヴェルファーレさんに打ち合わせに行ってきました。7月下旬から8月のどこかでラウドの10周年記念パーティーを行いたいと思っています。詳細は決まり次第ここに発表していきますね。10年もやってるんだなぁって再認識してしまいました。
今月のLOUDの表紙はなんとロック・バンドです、フランツ・フェルディナンド。踊れるロックなんですが、'80年代ニューウエイヴ、トーキングヘッズやロキシーミュージック、ブロンディーあたりを彷彿とさせるサウンドがすごくよいです。彼らは「踊りにいくのがなんでクラブじゃなくちゃいけないんだ?」って言ってましたが、ライブに踊りに行くってのがポストDJカルチャーになるんじゃないかなって個人的には思ってます。バンドの時代がまたやってくるわけです。フランツはちょっと違うけど、もっとダンスビートのクラブロックっていうジャンルができるに違いないと期待しています。そうなるとアンダーワールドやケミブラはクラフトワークみたいな元祖として崇拝されるようになるでしょう。
サイトの更新はこまめにってよく言われますが、すでにこのサイトは月1更新になっちゃってるので、思い切ってコラムをBLOGにして毎日更新することにしました。毎日にしておかないとまた月1になっちゃいそうなのと、これを機会に有言実行の人に変身したいという願望もあるのでした。雑誌に書けないようなことも書いていくつもりなので、よろしくお願いします。
ところで、
LOUD誌のDJランキング、投票締切が迫ってきました。僕にじゃなくてもいいですから、シーン活性化のためにもぜひ
コチラから御投票を。ちなみに僕は一応ラウドを出している会社の社長なので現時点でのランキングは大体把握していますが、これが驚愕の.....。